子どもの叱り方を考えるシリーズも、これで完結です。

ここまでこのシリーズでは、

  • その場で完結にしかる
  • ゆっくり静かに叱る
  • 叱る理由を伝える
ということをご紹介してきました。

今日は、最後にとても大事なポイントをお伝えしようと思います。子どもたちがネガティブなきもちを持つことなく、正しい行動と優しい心を育むためにぜひチェックしてみてください。

子どもの叱り方

子どもの叱り方


一度口にしたことは曲げない

叱るというのは繰り返しになることもあります。
何度も根気強く説明し、向かい合っていたとしても同じような場面で同じような事をしてしまいがちです。

この時に、子どもが
「あの時は良かったのに、今はだめなの?」と混乱してしまうことがないようにしましょう。

同じことをしても、環境が違えば叱れない時もあります。
しかしそれは保育士の事情であって子どもとは関係ありません。

今、叱るとクラスが前に進めないんだよな~とか、時間がないんだよな~、というのはとても迷うところでもあります。
叱るということには時間がかかりますから仕方のないことですよね。

でも、こういった保育士の都合で叱ったり叱らなかったりすることのないようにしていきましょう。
子どもは保育士の事をとても良く見ています。

「今なら怒られない」ということを学んでしまうと、今度はその対応にも気をつけなくてはいけなくなるのです。
大人の都合を優先せず、「子どものために」を常に考えて叱るようにしましょう。

また、叱る理由をその時々によって変えるのもNGです。
「先生は前こういった」ということに対して、都合が悪いからといって「そんなこと言っていません!」と隠したりせず、「この前はこうだったからこういった。今日は、これに対して、こう言っている」とわかりやすく説明できるようにしましょう。

言うまでもないですが、気分がむしゃくしゃしているからといって、やつあたりするのは絶対にダメです。子どもが理不尽さや不公平感を感じるような叱り方になっていないか、その都度振り返るようにしましょう。

叱るのは子どものためを思うこと

叱るということは子どもに「いいこと」「悪いこと」を伝えていく行為でもあります。
しかし、子どもにも個性があるように、その子どもにあわせた叱り方をしていかなくてはいけません。

ここには保育士として一番求められる「臨機応変」さが必要になってくるのです。

それでも、一番大切なことは子どもの事を一番に考え、どうしたら子どもが成長してくれるか?ということを考えていくことです。
子どもと一緒に成長できるように、保育士は自分の感情をコントロールして、真摯に向き合って下さいね。

前回ご紹介した「子どもの適切な叱り方」。怒るのではなく叱る、というのがポイントでしたね。

その場で簡潔に伝えることも重要ですが、いくら簡潔だからといって「だめでしょ!」と一喝するのはNG。

では具体的に、どんなトーンで、何を伝えればいいのか?というのを見てみましょう。

子どもの叱り方

子どもの叱り方


ゆっくり静かに叱る

まず子どもと保育士さんを比べてみると、身長は必ず保育士さんの方が大きいのです。
叱る場面と言うのを見つけるのは大抵子どもたちを見守っている時ですよね。

そういう時、その身長差のまま上から叱るのはよくありません。
どんなに切羽詰まった場面でも、その子どもと向かい合えるような環境に連れて行き、自分も膝を追って目線を子どもの高さに合わせましょう。

そうすることで、あなたの中の「怒り」の感情も少しはコントロールできるようになっていることでしょう。
大きな声をあげて叱ることは、子どもを返って興奮させ、話しをきけなくしてしまいます。

叱る時に大切なことはなんですか?
高圧的な態度であなたに恐怖を覚えさせることですか?

違いますよね。
子どもが起こした行動を正してほしいという思いから叱るのです。

子どもと一緒のペースで興奮して叱ってしまってはいけません。
子どもの目線に合わせて、ゆっくり静かな声で話すほうがあなたの「真剣さ」が伝わりやすいのです。

頭ごなしに怒鳴りつけるのではなく、教え諭すような気持ちで叱るようにしましょう。

何で叱られているのかを伝える

ただ感情的に怒ってしまうと、子どもはどうして怒られているのか理解できません。
そして怒られるということに恐怖を感じ、それで言うことを聞くという行動になるのです。
「理由はわからないけど先生が怒るからこれはやらない」という心理なんですね。

これでは何も意味はありません。怒られないと判断した場面で、同じ行動を繰り返してしまうからです。
また怒られる理由が分からないので、同じような場面にも同じようなことを繰り返して、結局何度も何度も叱らなくてはいけなくなるのです。

良く「子どもは何で何度も同じことを繰り返すんでしょうか?」という悩みを口にしている人を見かけます。

それは叱っておくべき場面で、子どもが何も学習していないからです。

何でこれをしてはいけないのか?
これをしてしまうと、周りはどう感じるのか?
ということが、キチンと自分の中で理解できないのです。

大人でも、よくわからないシステムや制度のことを自分の言葉で説明することはできませんよね。子どもたちも一緒なんです。

叱る時はこういったことを学ぶチャンスでもあります。

相手がどう感じるのか?
ここでしてはいけない理由はなにか?
ということをきっちりと子どもに説明してあげれば、子どもの気持ちはグン、と変わってきます。

子どもの気持ちに寄り添うことを一番に考えていくことが必要ですね。

保育をしていると毎日ニコニコ笑って過ごせられればいいですが、そうもいきません。

友だちとのトラブルや、感情のコントロールができずに癇癪を起してしまう子。
危険な行為をしてしまう子には、きちんと叱らなくてはいけないのも保育士の大切な仕事です。

しかし、この「叱る」という行為はとても難しく、多くの保育士さんが「どうやって子どもを叱ればいいのか?」と悩んでいることでもあります。

悩んでいるうちにうまく叱れず、子どもたちが危ない目にあってしまった・・・という保育士さんも少なくはないでしょう。じ

そこで今回は保育現場で「叱る」場面に直面した時に有効な方法をご紹介しましょう。是非参考にして明日からの保育で実践してみてください。

子どもの叱り方

子どもの叱り方


「叱る」は「怒る」ではない

私も実習に行っている時に、担当して下さった保育士さんから言われました。
「子どもたちを叱ってもいいけれど、怒ってはいけません。」

この「叱る」と「怒る」には大きな違いがあるんです。
漢字を見てもらうと分かるように、「怒る」には「心」が入っています。

つまり感情がそこには入っているんですね。
何かトラブルを起こした、何か危険な行動をした子どもに対して「怒った」感情をぶつけてしまうことをさしています。

一方で「叱る」というのは理路整然としていて、何故この行動をしたら叱られたのか説明する行為でもあるのです。
そこで保育現場では、必ず、「叱る」という行動を保育士は取らなければならないのです。

そこで子どもを「叱る」時のポイントを4つご紹介しましょう。

その場で簡潔に叱る

まず、叱る時は色々な場面があります。
それぞれに理由があります。

しかし、相手はまだ幼い子どもです。
叱る時は、子どもがいけないことをしたその場ですぐに叱るようにしましょう。

「また後で」というのは子どもには通じません。自分がしてしまったことや、自分の気持ちを思い出すことができないからです。
もし時間をおいて叱ったとしても、子どもは何で叱られているのか理解できず、何がいけなかったのか?どうすればいいのか?を学ぶことができません。

どうしても、その場で叱れない場合もあります。
例えば、外出先であったりすると、保育士といえどもその子を叱ることは難しいでしょう。どうしても他に対応しなければならないことがあり、その子の指導を優先して行えない時もあります。

それ以外の時はその場で子どもに伝えることが一番重要です。
また叱る内容も「あの時もあなたはこうだった。」などと過去の事を持ち出すのは辞めましょう。

クドクドと長く叱っていても子どもは何で結局怒られているのか混乱するだけで何も心に残りません。
何が悪かったのか?どうしていけないのか?ということを、簡単な言葉で、短く伝えることで、子どもが自分の考えとして理解できるようになります。
目の前の事だけに注意して、簡潔に叱るようにしましょう。

前回は2歳児、3歳児の子どもの質問に答えるコツをご紹介しました。

4歳児、5歳児になると、より鋭い質問をしてくるようになります。また、曖昧な答えだと納得してもらえず、怒涛の質問攻めになるときもあります。

そんな4~5歳児の質問に答えるコツをご紹介します。

子どもの質問

子どもの質問


4~5歳の子どもの「なんで?」にはこう答える!

少し大きくなった子どもからの質問というのは鋭いものが多いです。
例えば、「なんで〇〇くんはお椅子に座ってないの?」などという他人と自分の比較を口にすることもあります。

特にクラスの中に発達障害の子どもがいる場合、慣れないうちはこういった質問を投げかけてくることも多いでしょう。
発達障害児とクラスの子どもとの関わり方には頭を悩ませる保育士さんも多いですよね。

そうでなくても発達障害児に対するアプローチで時間や手を取られます。
クラスの子どもと向き合う時間が少なくなっていると感じている保育士さんも多いでしょう。

ここで、あなたはなんと答えますか?
「〇〇くんは病気なんだよ。」という答えをしたらOUTです。

発達障害というのは確かに病名です。
しかし、「病気」という言葉を使うと一気に発達障害児とクラスの子どもたちの距離は開いてしまうでしょう。

こんな時は、質問してきた子ども自身に考えさせる時間をとるのも良いですね。
例えば、「〇〇くんはどうしてお椅子に座りたくないかわかる?」などと逆に質問してみましょう。

クラスの子どもはきっと〇〇くんの気持ちを理解しようと必死に考えることでしょう。
そして出てきた答えが大きく外れていなければ、「そうかもしれないね。」と認めてあげましょう。

そしてそのうえで「〇〇くんは、今はお椅子に座るより窓の外に興味があったのかもしれないね。でも、今はお椅子に座る時間だって教えてあげていこうか。」と働きかけてみましょう。
すると、発達障害児に対してもクラス全体で取り組むことができます。

クラスの課題に取り組めるチャンスでもある

よく保育室で見られるのは発達障害児がいつもクラス活動の外にいてしまうという場面です。
発達障害児の状態にも寄りますが、まとまった団体活動というのはほとんどできません。

しかし、4~5歳児になると集団活動がほとんどです。
このギャップにどう取り組めばいいのか、悩んでしまいますよね。

そこで、こういった質問が子どもたちから出てきた時に発達障害児との関わり方を伝えていくことで、クラス一丸となって進むことができるかもしれません。
勘違いしないで欲しいのは、発達障害児について考える時間をクラスで一気に持つ、ということではないのです。

そんな時間をとるよりは普段の活動の中で、「なんで〇〇くんはしなくていいの?」という質問が出てきた時に、しっかりと答えるということが一番の近道です。

4~5歳児の質問に答えるときは、2~3歳児の時のような答えでは納得してくれないこともあります。
子どもの立場に一番に立ってみて、状況を整理し受け答えをしましょう。

忙しいときに質問されたときは、「今は少し待ってくれる?」と伝えるのも良いでしょう。
しかし毎回この答えでは子どもはフラストレーションをためてしまいます。

あとで必ず答えるようにし、信頼関係を築いていってください。

質問は子どもからのメッセージ

「なんで?」という質問には子どもからの思いが込められていることが多いのです。
中には「赤ちゃんはどこからくるの?」というちょっと困った質問をされることもあります。

こういった時に一番してはいけないのは「そういうことはお母さんに聞いてね。」という答え方です。

自分が困ったからと言って他人任せにしてはいけません。
子どもはこの答えを聞いて、質問してはいけなかったのかな?と学習します。

そうなると心を閉ざしてしまいかねません。
答えを正確にする必要はあまりありません。

とにかく「尋ねたい!」という子どもの思いを受け止めて、信頼関係を築いてください。

保育を続けていくと、子どもと向き合うことが多く時には困った質問をされることも多いですよね。
そんな困った質問をされたとき、保育士としてどう答えればいいのか迷うこともあるでしょう。

保育士としてどんな風に子どもの質問に答えて、どんな風に対応していけばいいのか。
今回は少し具体的に関わり方をご紹介したいと思います。

子どもの質問

子どもの質問


子どもの質問の受け答えはどうすればいいの?

たった1人の子どもを相手にしているのなら、その質問に対してじっくり向き合うこともできます。
しかし保育園というのは多くの子どもたちが一緒に生活している場所です。

1人の子どもの質問にいつまでも向き合うというのは難しいですね。

質問もその場でこたえられるようなものなら苦労はしませんが、子どもの質問というのはひとつで終わるということはほとんどありません。
ひとつの質問に答えたら、また次の「なんで?」が始まるのです。

この対応には子どもの年齢にもよります。
そこで、年齢別に詳しく対処法を見ていきましょう。

2~3歳児の「なんで?」はこう答える!

言葉を覚えて話し始めるのは、2~3歳ごろです。
この頃は、話すのが楽しく、新しい言葉を聞くと純粋に「なんで?」と聞いてきます。

それはある意味、言葉を使うという欲求を満たしているのです。
質問の答えが本当に心から知りたいわけではありません。

「なんで?」という言葉が使えるということを楽しみ、質問に関する関わりを楽しんでいるのです。
ですが、2~3歳児の質問には、適当に答えればいいというわけではありません。

質問の内容に全く違う答えを伝えるのは「嘘」をついていることになります。
それでは質問した子どもが混乱したり間違った情報を信じてしまうのです。

例えば、「なんでお日様はキラキラしてるの?」と聞かれたとします。
あなたならなんと答えますか?

こういった自然に関する質問は子どもたちから良く出てくる質問でもあります。
それは子どもたちが自分を取り巻く自然という環境に興味を示しているからなのです。

ここでの質問の答えは「太陽は自分で爆発して熱を発しているから・・・。」なんていう専門的な答えは必要ありません。
「お日様がキラキラしてるのは、皆を見てて楽しくて笑ってるからなんだよ。」という答えの方がいいでしょう。

太陽の仕組みを子どもに話しても、まだまだ理解するには難しいですし、満足感は得られないのです。
正解を伝えることに重点を置くのではなく、子どもとの関わりを丁寧にすることが、一番いい方法ですね。

この2~3歳児の「なんで?」という質問は繰り返すということがあります。
自分に余裕があるときに聞いてくることもあれば、忙しくて手が離せないときに聞いてくることもあるでしょう。

しかし、ここで感情的に「もう答えたでしょ!」と一方的にやり取りを打ち切らないことが一番大切です。
こういってしまうと、子どもは先生に「拒絶された」という感覚を持ってしまい、次からはあまり積極的に話しかけてこなくなるかもしれないからです

2~3歳というと言葉の発達が著しい大切な時期でもあります。
しっかり関わることで、子どもの満足感を満たしてあげられるように関わってくださいね。